第二子出産レポ-常位胎盤早期剥離で緊急帝王切開しました-


タイトル通り、先日第二子を出産いたしました。
優雅に計画無痛分娩の予定が常位胎盤早期剥離という病気になり、まさかの緊急帝王切開になったという話です。

この疾患、コウノドリってドラマでもやってたみたいなので知っている人も多いかもしれません。
どんな疾患かざっくりいうと、おなかの子が生まれてくる前に胎盤がはがれる病気。そしてほとんどの妊婦さんが最もなりたくないと思ってる疾患じゃないかなと思います。

それはなぜか?

  • 母体死亡、死産、生まれても脳性麻痺などの後遺症の可能性
  • 定期的な妊婦健診で問題なくても予兆なく急に誰でもなる
  • 気づいたときには手遅れになっている事もある
  • ちゃんとした予防法がない
  • 早期発見・早期対応しか対策がない

友人曰く、「この名前を聞いただけで身震いする」との事で。私もこれだけにはなりたくないと思っていた激ヤバ疾患です。

ちなみに直前の妊婦健診でも問題なし。この疾患に関係があるとすれば高齢出産だったことと、小さい子宮筋腫が一つあることくらい。でも医師からの注意は特にありませんでした。

この病気は妊娠後期になることが多いので、計画分娩予定だった私は予定日よりも早く生むことでこの病気になるリスクがちょっとでも軽減できるんじゃないかと少し安心していました。

計画分娩予定日は38週6日目、異変があったのはその1日前の38週5日目のことでした。

常位胎盤早期剥離については以下サイトが分かりやすかったのでご参照まで。

気づけたポイント

  1. いつもと違うお腹の痛み
  2. 胎動が急に弱くなった

発見までの時系列

【2021/04月某日】計画無痛分娩予定日 前々日

夕方
お腹が痛い。今まで感じたことない痛み、便意?めっちゃうんこしたい感じ。(食事中の方すみません)
生理痛の時みたいな腰痛。昨日までは胎動が激しかったし、夕飯中お腹が動くくらい蹴ってたのにそういえば今日は一度も感じていない。

19:00
上の子にご飯を食べさせたあと慌てて横になって胎動カウントしてみる。
一応カウントは取れたけどとても微弱、いつもと違う事に不安になるが上の子の世話でバタバタ。とりあえず気にしないことにした。

【2021/04月翌日】計画無痛分娩予定日 前日

異変

0:00
お腹の痛みで起きる 冷や汗 うんこ漏れそうな痛み(食事中の方…以下略)
トイレに座ってもおしっこすら出てこない。こんなことは初めて。ずっとお腹が張ってる気がするし、鈍痛とすごい痛みを繰り返す。前駆陣痛かもしれないけど不安すぎる。

0:30
痛すぎるので病院に電話。入院の準備してすぐ来れますか?とのこと。慌てて準備。同居しているばあばを起こして寝ている上の子を頼む。主人の運転で病院へ向かう。

急遽入院

1:00
病院到着、そのまま入院する事に。本人しか入れないので主人とは玄関でお別れ。

1:30
パジャマに着替えて分娩室でお腹のモニターを取る。心拍がなかなか取れなくて不安がよぎるが聴こえて安心する。エコーはこの時とらなかった。
看護師さんが「ずっと痛いのが気になる」って言ってる。(陣痛だと痛みがない時間がある)

2:30
終わってから同意書やらに判子

3:00
ベッドで横になりひとまず目を閉じる。

継続的な腹痛

4:30
めっちゃ寝たと思ったらまだこんな時間。腹は痛い トイレやっぱり尿すら出にくい。

6:00
とりあえず寝れたらしい。腹痛がマシになった?

早朝健診

7:00
モニター45分その後看護師さんの触診で出血あり

8:00
ごはんたべる。腹痛がマシになっていてやっぱ前駆陣痛だったのかなあと思い大げさに入院したことがちょっと恥ずかしくなってくる。

8:30
主人に電話する。大げさだったかなあと言うと念の為診てもらう方がいいと強く言われてちょっと罪悪感が薄れる。

9:30
先生の触診でまた出血。結構出てる感じで、エコーでは羊水に白い影、出血しているかもと言われる。すぐに隣の分娩室で再度お腹のモニターを繋ぐ。

9:50
先生が「やはり気になるので」と再度エコー。さっきはなかったが今見ると胎盤が剥がれかけてるかもと言われる。別の婦人科医も来てエコー確認、やはり胎盤が剥がれかけてそうだと2人で言ってる。
もしやソーハクってやつかと思い始める。
先生から胎児の心拍が弱いのも気になっていると言われる。
そういえば、と昨日から胎動が弱いことを告げる。
今日は全然動きを感じないと言うと先生の顔色がさらに変わる。
やっぱりすぐに出しましょうと緊急帝王切開が決まる。急に慌ただしくなる。

手術準備・開始

9:55
看護師さん5人くらいに囲まれて寝ながら手術の同意書にサイン、酸素吸入、点滴用意、手術着の準備、導尿、下の毛ジョリジョリされる。
あまりにも急で頭がついていけずその様子をボーッと眺める。
でもバタバタに反して看護師さん達の笑顔の対応が逆に状況のヤバさを物語っていて怖い。

10:10
隣のオペ室に移動
産科医2名、頭の方で麻酔科医1名がスタンバイ。(後々聞いたら小児科医もいて医師4名体制だったらしい)
麻酔科医から説明を受けて腰から麻酔打つ。朝食を食べてるし全身麻酔だと吐いた時の対応が難しいので局所麻酔でいきますと説明。
すぐに下半身の感覚がなくなりいつの間にか手術が開始されていた。
引っ張られる感覚があるが痛みはない。麻酔医師がこまめに説明してくれて安心する。

10:30
急にお腹の圧迫感がなくなる。
看護師さんの「おめでとうございます」の言葉のあとに赤ちゃんの泣き声が聞こえる。
どうやら産まれたらしい。安心感で涙目になる。
泣き声にほっとしつつ、次は子宮からの出血に備えて新たなルート確保、右腕に針さされる。もっと太いやつがいいんじゃないとか麻酔科医が言ってる。(輸血の可能性を考えている?)
これから胎盤処理するらしい。今度は私の番かと緊張する。恐怖で左手が震えだしたので元気で上の子と会うんや!と自分に活を入れる。たまにお腹の何かを吸う音がする。
麻酔医が「気持ち悪くなるかもしれんけど治るからねー」って説明あとすぐに胸の方が気持ち悪くなって『おお、ほんまや』と思う。あとなんか電気が眩しく感じる。
看護師さんが顔の方に赤ちゃん連れてきてくれた。
抱っこはできないが「こんにちはママだよ~」って声をかけれた。感動の初対面は数分で終わりすぐに赤ちゃんは連れていかれた。

手術終了

11:10
手術終了。「やはり胎盤の端に血が溜まって剥がれかけてました。でもいいタイミングで取り出せました。あと1時間遅かったら状況は違ってたかも」と主治医が説明。お腹の写真(レントゲン?)撮られる

11:18
オペ室を後にする

術後

点滴や血圧計(どっちも2日間つけっぱなしだった)の準備やらでそばにいた看護師さんにも安心した感じで「ほんとたいへんやったね〜。手術着も袖通らんかったら服切らないかんとこやったわ〜」と言われる。(あの笑顔の対応はやっぱやばかったんやと改めて思う)

やっと家族に電話。返事がないから心配してたらしい。いくつかメッセージも残っていた。
主人もいろいろ調べて常位胎盤早期剥離ではないかと思っていたらしく、赤ちゃんの後遺症を心配しているとのこと。
看護師さんがスピーカー越しに聴いてたから、心配しないようにとあとで赤ちゃん写真と動画撮ってきてくれた。

夕方に主治医から主人に電話で説明。

赤ちゃんは元気、自力で呼吸できてるし保育器にも入らないでいいし、小児科医も大丈夫と言ってるとの事を聞いて安心していた。

早期対応ができたポイント

  • 前駆陣痛だと思って我慢しなかった
  • 元々入院予定日だったので入院準備ができていた
  • 家族が家にいたのですぐに病院に行けた
  • 最近増築して病院のオペ室が充実していた
  • 総合病院なので他の科の医師と連携が早かった
  • 医師がいるときに発症した
  • たまたま麻酔科医がいる日だった
  • 平日だった(ちなみに出産予定日はゴールデンウィーク中でした)

私の場合は医師の診察中に発症したようで超早期発見でした。そしてたった20分くらいで状況が変わりました。(ちなみに発症の確率は1%以下らしいです。私の産院だと年に1例あるかなと看護師さんが教えてくれました)

最初の持続的なお腹の痛みは胎盤に血が溜まっていたからなのか今もよく分からないですが、この時の『いつもと違う』という感覚を疑わず受診したのがよかったと思います。
あとこの日はちょうど入院予定日だったので、少しくらい入院時間が早まっても迷惑にならなくてすむかな?と思えたのも良かったかなと。本来の予定日はまだ先だったのでもし自然分娩だったら我慢して連絡しなかったと思います。

あと一番は、大げさだと思わず病院へ連絡することに背中を押してくれた家族のおかげだなと思います。
特に上の子がいると自分のことはついつい後回しにしてしまいがちですよね…。ほんと主人に感謝です。
家族のありがたみを再確認した出来事でした。

そんなこんなで生まれてきた赤ちゃんも新生児期があっという間にすぎて、私も忙しさが(めちゃくちゃ)増しましたが毎日元気に過ごせています。

退院してからも今回のことを考えると、もしタイミングが遅かったら…と思うと恐ろしくなって眠れないこともありましたが、1ヶ月たってそろそろ冷静に考えられるようになったかなと思うので経緯をブログに残しました。

気づきにくい常位胎盤早期剥離という病気ですが、この私の体験が誰かの役に立てば幸いです。

いろんなラッキーが積み重なっての出来事だったので一生分の運を使い果たした気がしてこれからが恐ろしいですが、これから得を積んでまた何かのときに備えたいと思います。